小さな商い講座 …「商い」と「ビジネス」の違い

「商い」と「ビジネス」の違いとは?「小さな商い学校」が考える新しい働き方

「ビジネス」という言葉が当たり前になった現代。
一方で、日本では古くから「商い(あきない)」という言葉が使われてきました。

「山河の一雫」が主催する「小さな商い学校」では、この「商い」という言葉の奥深さを探求しています。


「商い」の語源に隠された、飽きない秘密

「商いは飽きない」から「あきない」と言う。この粋な洒落を耳にしたことがある人も多いでしょう。もし仕事が「飽きないもの」だと考えたら、なんだかワクワクしてきませんか?

「商い」の語源には諸説ありますが、最も有力なのは、秋の収穫期に作物を交換する商業から「秋なう(あきなう)」が変化したという説です。

また、「贖う(あがなう)」という言葉と同じく、「何かを得るために、別の何かを差し出す」という意味も含まれていると言われています。
つまり、「商い」とは、価値あるものを提供し、その対価を得る行為。
このシンプルな循環こそが、その本質なのかもしれません。

「商い」と「ビジネス」はどこが違う?

「小さな商い学校」が考える「商い」と「ビジネス」の決定的な違い。それは、「誰かの役に立つことを目的としているか」という点です。

「商い」は、人や社会に役立つモノやサービスを提供し、その結果として対価を得る活動です。

一方、「ビジネス」という言葉が持つイメージには、少し別の側面があります。

たとえば、水が豊かな場所で水を、氷に囲まれた場所で氷を売る。これは仕組みを巧みに作り、利益を最大化する「ビジネス」の一つの形です。時には、人の心理を操り、不必要なものを必要だと錯覚させて利益を追求することさえあります。

もちろん、すべてのビジネスがそうではありません。しかし、利益至上主義に走りすぎると、過剰な消費、環境破壊、そして労働搾取といった問題を引き起こすことがあるのも事実です。

※あくまで、「小さな商い学校」が考える「商い」と「ビジネス」についてです。

私たちは何のために働き、何のために生きるのか?

現代を生きる私たちは、お金を稼いで生活を営みます。
お金という数字が増えれば、高価なものを手に入れ、他者から認められるかもしれません。

しかし、それが本当に私たちの幸せにつながるのでしょうか?

私たちは、自分以外の誰かと繋がることで幸福を感じる生き物です。

誰かの役に立つこと、共に協力すること。
これこそが、人間が進化してきた理由であり、幸せを感じる根本だと私たちは考えます。

「自分が犠牲になってでも人の役に立つべきだ」という極端な考えは誤りです。
そうではなく、「自分が得意なこと、好きなことを通して、できる範囲で人の役に立つ」
この生き方こそが、本当の幸せに繋がるのではないでしょうか。

「小さな商い」の定義とは?

「小さな商い」とは、自分が得意なこと、好きなこと、長く続けたいことを軸に、誰かの役に立つモノやサービスを提供し、適正な対価を得る活動です。

提供するモノやサービスには、原価や人件費などの費用がかかります。
まずは、その費用をまかなうための対価が必要です。
そして、自分や社会をより良くするための妥当な「儲け」も大切です。
この「儲け」は、提供した価値の証なのです。

小さく生んで、大きく育てる

「人の役に立つはずだ」と思って始めたことでも、最初からうまくいくとは限りません。
思ったように売れないこともあるでしょう。

それは、本当に必要とされていなかったのかもしれませんし、単にまだ知られていないだけかもしれません。

だからこそ、まずは小さく始めてテストすることが重要です。
少しずつ改善を重ね、徐々に広げていくことで、失敗したときのリスクを避け、方向修正もしやすくなります。

「小さな商い」を始めることは、自分が得意なことや好きなことで、誰かを喜ばせる体験をすること。
それは、モノが売れた時の喜びはもちろん、そこから生まれる新しい繋がりや学びの連続です。

あなたも自分と自分以外の人を幸せにする「小さな商い」を始めてみませんか?

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